臨床研究について

当院の画像診断装置を用いて行っている研究課題について以下に開示しています。
主として、一般的に行われている画像診断撮影について、よりよい撮影方法を探索する研究を行っています。
研究方法としては、観察研究、遡及的研究、模擬人体モデルなどを用いた研究が主体です。
遡及的研究とは、既に検査を受けられた患者さんの画像について画質評価や実効被ばく量の評価を行う研究です。
個人情報の匿名化は厳重に行いますのでご安心ください。(画質評価などの際には個人情報は匿名化します。研究成果の公開の際には改めて個人情報の匿名化を確認します。)
*なお、研究への参加に同意されない方はご連絡ください。

2017年11月18日土曜日

低線量CT撮影における骨塩定量の信頼性に関する検討

低線量CT撮影における骨塩定量の信頼性に関する検討
1.背景
昨今、画像処理技術の進歩に伴い、逐次近似再構成法と呼称される新たな画像再構成法が実用化された。CT検査においては、使用する放射線量を低下させると画像のノイズが増加するが、逐次近似再構成を行うことにより、従来よりも大幅に線量を低下させても画質が維持できることが可能になっている。
低線量CTは検診や人間ドックなどでの撮影頻度が増加すると予想されるため、今回、逐次近似再構成法を用いた低線量CT画像データを骨塩定量に使用できるかどうかを検討した。
2.目的
近似再構成法を用いた低線量CT画像の骨塩定量の信頼性について検討する。
3.対象疾患群と症例の選択基準
2013年5月14日~27日の連続する12例。
肺結節影が疑われ、または診断されており、胸部単純CTを撮影する症例。
年齢20歳以上。
文書による本人のInformed consentの得られている症例。
4.CT撮影方法
使用装置:東芝社製AquilionONE
スキャン方式 helical scan (64列)
スキャン条件: 120kV, 240mA (84mAs)/120mA (42mAs)/20mA (7mAs)
           0.35s/rotation, 1.0mmx32, helical pitch45(beam pitch 1.41)
再構成条件: 逐次近似(AIDR3D)on /off, 2mm-section, FC52/FC13(hybrid), FOV320mm
5.骨塩定量の方法
京都化学製骨量ファントム:B-MASを使用し、個々の撮影ごとに校正し、CaCO3相当量を求めた。
第10胸椎から第3腰椎まで6カ所測定した。
6.検討方法
84mAs撮影をgold standardとし、他のデータを比較した。
CaCO3相当量:通常線量(84mAs)と低線量(42mAs)の比較・通常線量(84mAs)と超低線量(7mAs)の比較。
通常線量との誤差と体重。
2013年5月28日申請。 研究終了。論文公開済み。

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