臨床研究について

当院の画像診断装置を用いて行っている研究課題について以下に開示しています。
主として、一般的に行われている画像診断撮影について、よりよい撮影方法を探索する研究を行っています。
研究方法としては、観察研究、遡及的研究、模擬人体モデルなどを用いた研究が主体です。
遡及的研究とは、既に検査を受けられた患者さんの画像について画質評価や実効被ばく量の評価を行う研究です。
個人情報の匿名化は厳重に行いますのでご安心ください。(画質評価などの際には個人情報は匿名化します。研究成果の公開の際には改めて個人情報の匿名化を確認します。)
*なお、研究への参加に同意されない方はご連絡ください。

2020年5月18日月曜日

研究テーマ 肺結節に対する経気管支的生検のための適切な気管支ルート選択技術の開発


研究テーマ 肺結節に対する経気管支的生検のための適切な気管支ルート選択技術の開発
主任研究者
氏 名  森谷浩史
施設名・所属科・役職
  大原綜合病院 放射線科 副院長

1.研究の目的、必要性
末梢肺病変からの生検技術は肺癌診療における重要な基盤技術である。癌のテーラーメード治療の進展と普及により、肺癌治療前の確定診断以外にも、治療方針の変更の際に十分量の検体採取が必要となるなど、臨床的な要求場面が拡大している。
一方、2017年に開発された超高精細CTは末梢気管支の描出能が大きく向上した新型CTである。従来CTと比較して、末梢気管支分岐が明瞭に描出されるため、末梢病巣への気管支ルートを精緻に描出することができる。
そこで、詳細な事前マッピングにより経気管支的生検の命中の向上が見込める気管支ルートを定量的に示す技術の確立を最終的な目的とする。

2.研究計画(研究期間と目標数を明示して下さい)
対象:当院に超高精細CTが導入された20181月以降に、末梢肺結節に対する経気管支的生検を行った症例。およそ50例。
方法:末梢肺生検の到達成功の有無を朔及的に、到達容易・到達困難・到達不能の3群に判別。
対象患者の検査前超高精細CT画像から、末梢肺野への到達気管支を3次元的に解析。
CT気管支像の到達の有無・到達気管支主軸と腫瘍との位置
気管支ルート距離・分岐数・ルートの主軸に対する分岐角度・腫瘍近傍気管支の気管支内径
について定量化を行い、到達成功性に関する寄与度を解析する。

3.期待される成果と意義
CTの画質向上による末梢気管支描出能が向上しているため、気管支到達が画像上確認できる例が増加しいる。したがって、本検討は、その画像情報を気管支鏡手技の術前情報として活用するための基礎的データとなる。特に超高精細CTでは、実手技で確認できる気管支より詳細な画像情報が得られるため、事前に、①到達不能の結節を明らかにする、②到達に難渋が予想される場合の具体的な困難因子を明らかにする、ことで、適切な生検方法を選択し、生検の成功率を高めることができることが期待される。

本研究の対象症例は、超高精細CTと気管支鏡検査の両方を対比できる過去の症例である。本研究のための新たな症例の募集は行わない。すべて過去の撮影データを使用する。大原綜合病院では、診療の一環として得た画像情報に関する包括同意を得ているため、データの診療外使用拒否を申し出ている患者情報については用いない。また、本研究は過去のデータを使用する研究であるため、新たに被験者同意を取得することが困難である。臨床研究のうち、患者への侵襲や介入のない診療情報等の情報のみを用いる研究に相当するため、国が定めた「オプトアウト」の指針に基づき、研究目的・実施について大原綜合病院・画像診断センターの本ホームページにおいて公開し、拒否の機会を保障する。
〒960-8611 福島県福島市上町6番1号 Tel.024-526-0300(代表)大原綜合病院画像診断センター センター長 森谷浩史

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